旅する絵本

生活

外出先で、散歩していたらひょっこりと可愛らしい古本屋さん兼カフェが現れました。軒先に飾るように置かれたエッセイ、小説、写真集、絵本。日本のものも外国のものも自然と寄り添うようにたたずんでいます。

森見登美彦さんの文庫本!リサ・ラーソンの写真集!『リサとガスパール』の英語版!

たくさんの花の精が描かれた、美しくて分厚い外国の詩集にも胸がときめきます。

軒先だけでいくらでも過ごせる、と思っていたら、「2階もありますよ」とさらに甘い魅惑の言葉が聞こえました。

「畳ですけど、靴のままでいいですから」と可愛らしいお姉さんに教えられて上がると、そこは児童本がたくさん置かれた場所でした。

子どものころに読んだなつかしい絵本、見たことのない絵本、自宅にある絵本。様々な絵本に囲まれた和室はなんとも居心地の良い空間でした。

大好きな江國香織さんの絵本をじっくり読んで、装填に惹かれた、異国の女の子が主人公のお話を読んで、幸せな気持ちに浸りながら、さて、誰か連れて帰りたい本はいるかな、と見まわして、見つけました。

『ビロードのうさぎ』

私、酒井駒子さんの絵が大好きなのです。きれいで、可愛らしいんだけど、ちゃんと哀しくて、子どもに媚びない正直で残酷な感じ。なんだか安心します。いつまでも見ていたくなる。

絵本は高価なので滅多に買えないのですが、この古本屋さんで見つけたこの絵本は、所々破れていたり折れ曲がっていたりしていたせいか、定価よりだいぶ安く購入することができました。

小さなお子さんが読んだのかな、と本が経験してきた出会いを想うと、少しうれしくなります。まさにこのお話に出てくるうさぎみたい。誰かの「ほんとうのもの」(*)になった絵本なのかな。私のところに来てくれてありがとう。

良い出会いのあった日でした。

*作中に出てくる言葉。心から大切にされたおもちゃを指して言う。

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